配達されない「四通」の手紙

いや、まあ実際にはちゃんと配達していただいた模様ですので、これは「タイトルに偽りあり」ですね。
(神保町の某劇場さまに託して、何というか「配達」していただいたものです。
ファンとしてこれほどの良き機会はない。感謝感謝でございました。)

んで、いくらなんでも一人で沢山出しすぎだろうとは思いましたけど、
特集が4週間あったので、それにちなんでの、
ワタシの思いを込めた4通の手紙、4通のファンレターです。

彼女の3回目の大きな特集のプログラムが発表される直前のこのタイミングで、
それらを書き留めるものといたします。


【1通目】
中平康監督『誘惑』を観たのがきっかけで、芦川いづみさんのファンになりました。
多彩な人物たちが生き生きと動き回る洒脱な群像劇の中に、不意に妖精のように現れて、物語をかっさらっていくいづみさん。
まさに芦川さんでなければならない役柄、芦川さんのキャラクターなしでは成立しない映画だと思います。
ステキな映画に感謝をこめて。

【2通目】
昨年と今年の2回に渡った芦川いづみさんの特集は、どれも見ごたえある作品ばかりでした。
初めて観た『祈るひと』はとりわけ素晴らしく、芦川さん演ずるヒロインが、様々な価値観の人と出会う中で、少しずつ少しずつ変わっていく姿に胸をうたれました。
滝沢英輔監督の誠実な演出も印象に残ります。

【3通目】
芦川いづみさんが映画で演じてきた様々な女性たちは、物語の結末がハッピーエンドであれ悲劇的なものであれ、映画の中の「彼女たち」にとって、最もふさわしい道を歩んだものと信じます。
時代は変われど、現代の女性たちの悩みや喜びも根底では変わらない。
だから、映画は全く古びていないのだと思います。

【4通目】
芦川いづみさんの2回の特集の中で、芦川さんのお父さん役やお母さん役を演じる俳優さんたちとのアンサンブルを見るのが楽しみでした。
お父さん役の代表格は、何といっても宇野重吉さん。
またお母さん役(またはそれに代わる立場の人々)として、山根寿子さん、月丘夢路さん、高野由美さん、轟夕起子さんetc…たちとのやりとりが、それぞれに見どころでした。




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# by hamanokani | 2016-06-12 10:57 | 映画

幕間みたいな

ええっ、そこのあなた、「日活版『事件記者』・脇役俳優アワード」の続きが読みたいって??

いや、それってね、たぶん私自身が一番読みたいからさ。



でも現在、日活『事件記者』シリーズが上映中(わーい)なのでね、
それを全部観終えた結果、アワードの結果が塗り替えられる可能性がありますからなあ。

(現在第9作まで観たところ、実際これまでの調査と食い違ってる箇所もある。
だから現実問題、すでに「塗り替わってる」わけだが。)

本日から印旛沼ロケの第10作、
いよいよシリーズ最終作が上映されるので(ほろほろ…)、
それが終わったあとに、書けるものなら続きを書きたいけれども。

ホントの話、私以外にこの分野に(つまり日活『事件記者』シリーズに出演する脇役に)興味がある人もそうそう居ないでしょうし、
だからもしも脇役俳優アワードの続きが書けたとしたら、それって完全に自分自身のためでしかないよなあ。

というわけで、「脇役俳優アワード」の続きを最も読みたいであろう人物。
それは自分だ。


それじゃ、また。
できれば(希望的観測と言うか、願望としては)また近いうちに。



あああ、それにつけても、何度観ても第9作の玉ちゃん(玉井謙介ね)が見つけられなかったのが、何とも口惜しや。




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# by hamanokani | 2016-06-11 10:23 | 映画

三隅研次『なみだ川』(1967)

※以下の文章、2008年5月に記す。
(物語の内容や結末についてかなり言及しています。鑑賞前には一切のストーリーを知りたくないという方は、お読みにならないほうが良いかと思います。)

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湯布院で観た映画 ― 『なみだ川』

主人公である姉のおしず(藤村志保)の性格設定は、のんきで(今で言うところの)天然ボケ。
憶えられない諺をしょっちゅう口にしちゃあ、それがことごとく間違っていても気にしない。
うぶで、てんから大らか。
和風美人の藤村さんは、耐え忍ぶ楚々とした女のイメージの役柄もあるが、存外こういう役のほうが地に近いのではと想像してしまう。

この性格設定がストーリー上かなり秀逸だと感じられるのは、実は彼女は貧乏所帯で苦労し、実家に金をせびりに来ては家族を苦しめる放蕩者の兄まで居る…ということによる。
つまり、まじめに考えて悩み始めたらシャレにならないくらい、背負っているものは大きいのである。
しかし、のんきであることは時として人を救う。
困難な状況で、どうにかこうにか日々を明るくやり過ごせるのは、おそらく主人公がのんきだからに他ならない。
考えてもしょうがないことは、考えないことだ。
主人公おしずの調子っぱずれの大らかさに、こちらもついそんなことを思う。

対する妹のおたか(若柳菊)はしっかり者。
しゃきしゃきした気性で家のことを心配する姿を見れば、こちらが実質的な姉ではある。
惚れあった男との縁談が持ち上がるも、家のこと、姉のこと、放蕩の兄のことなどを考えれば「(嫁に)行けるわけないじゃないの」と。
姉妹が隣り合って寝る蚊帳の中、姉が寝たと思いこみ、ふと抑えていた切ない心情を吐露する妹、そして本当はたぬき寝入りだった姉が妹に気付かれぬよう涙する場面には、こちらも思わずもらい泣きである。

とにかくも、ポンポン言い合いながらも、この姉妹は仲が良い。
ふたりでどこやらへお参りに行く場面、晴天の中を行楽気分で歩む両者の、えんじ色の着物と桃色の着物の色彩の対比(そして調和)の見事さ。
若い女性ふたりが画面に出てくるというだけで、なんと映画は華やかになることか。
(そしてかなり強めの色調でその華やかさを強調するのは、実際的には照明および撮影の技なのだろう。)

また、姉が秘かに思う男に「姉と会ってやってくれないか」と妹が頼みこむ場面では、「すわ、例えばこのふたりがデキてしまうような展開だとちとマズいぞう」と観客としては小さく警戒したのであるが(すみません。ぼんくらな客なもので…)、そこはうまくしたもの、妹のおたかとこの貞二郎という男とは、多少なりとも理に聡いという点で言えばきっと「同族」なのであり、なるほどこういう二人は引き合わないものであろうよ。

さらに目を向けるべきは、このなみだが出るほど(タイトルに引っかけたわけではないが)に素晴らしい美術。
日本橋の彫金師の家族が肩寄せて生きる家が、まさに目の前に現出している。
こざっぱりとした風通しの良さそうな造りの日本家屋。
格子戸、障子、襖、階段、土間、蚊帳…と、市井の人々の暮らしが生き生きと浮かび上がるようだ。
歴史大作などにおける重厚な美術も良いが、こういうものを難なく当たり前のように作り上げるところに、大映京都の美術の凄さを感じる。
美術としてガッツリ作りましたよという感じでなはく、「そこに○○がある」というのを意識させずに物語世界に連れて行くのが、真の意味での美術の仕事だろう。

細川俊之演ずる貞二郎は、ニヒル風味がキャー素敵てなところ(誰もが認める細川の美声も、それに一役買っている)。
でもただの色男ではなく、彼なりの生真面目さや諦念も裏にほのめかされている。
最初はおしずを冷たくあしらっていたものの、結局は彼女の「おたふく」的な情の深さにほだされ(原作は山本周五郎『おたふく物語』)、一足飛びにいきなり深い仲に。
でもコレ、遊び人として生きてきた細川の気持ちの表現としては、むしろ誠意のように思われなくもない。
「そこから始まる愛もある」ってやつである。

やくざな兄役の戸浦六宏の容貌には「若い頃から悪人顔だったんだなあ」とびっくりだが、そのどこまでもワルな兄が、おしずの覚悟を知り、最後の最後に「もう来ねえよ、あばよ」と家族の前からあっさり去っていく場面はひどく泣かせる。

でまた、やっとの思いで縁切りした兄を別れ際につい追ってしまう藤村の姿には、もうどうしようかと思うくらいに泣けて…。
心の奥底では通じ合うものを持ちつつも、互いの幸せのために別れていく家族。

ただ凡庸に何かを捉えるというのでなく、見せるべき要素をきちんとたたみかけて見せていくこと。
そんな演出が、決してお涙頂戴ではなくベタな人情を売りにしてもいないのに、自然な形で「泣ける」ということに繋がっているのだろう。

あ、最後になったがこれを忘れちゃいけない。
我らが藤原釜足は、腕はいいが寡黙で頑固な彫金師の父親を、出番少ないながらも好演なり。

あ、もひとつ最後に。
私は「大映」と聞けば、グランプリに輝く名作から末期のめちゃくちゃなダイニチ作品まで何でも観たいのであるが、中でも後期プログラム・ピクチャーから生まれたこの作品は、大映という会社が持っていた「良心」の部分がいかんなく発揮された、愛すべき1本だと確信する。


(追記)
本文ではあまり触れられなかったが、実は今作品で最も私に爪痕を残した(?)人物は、ズバリ戸浦六宏その人である。これと、やはり昨年観た中川信夫の牡丹灯籠(テレビ作品のあれです)とか、昨年再見した「情事の方程式」などで、今更大注目してます。フィルモグラフィー追っていきたい。ちなみに、話が飛ぶけど息子さんの書くブログもよく読んでますよ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※以上の文章、2008年5月に記す。


2007年8月に第32回湯布院映画祭・大映京都特集にて、三隅研次監督『なみだ川』を初鑑賞。
それに関して、2008年5月に(内容を思い出しながら)感想を書き、某SNSに当時アップしたもの。
さらにこのたび、内容を一部修正し、2016年1月に再掲いたします。

上記本文中「ふたりでどこやらへお参りに行く」というのは、後年に再見したところ、目黒のお不動さんへのお参りのシーンでした。
また同シーンでの着物の色を「えんじ色の着物と桃色の着物」と表記しましたが、これはもっと適切な、伝統色的な言い方があると思われますので、お着物に詳しい方がご覧になったら補足していただければと思います。

また上記追記中で戸浦六宏氏について言及したくだりで「昨年」と何度か書いているのは、2008年から見た「昨年」ですので、2007年のことを指しています。
振り返ると、おそらく「戸浦六宏さんがステキと気付いた元年」(?)あたりだったのかなあと。

2016年新春、フィルムセンターの三隅研次特集にて上映される『なみだ川』を楽しみにしております。


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# by hamanokani | 2016-01-11 12:13 | 映画の感想(件数僅少)

日活版『事件記者』・脇役俳優アワード(その1)

1959年から1960年にかけて8作品、2年後の1962年に2作品と、総計で10作品が製作された日活版『事件記者』を通して観ると、メインキャストはNHKテレビドラマ『事件記者』と同一の役柄を演じるお馴染みの俳優陣と、日活映画版のみのため設定された新キャラを演じる日活俳優陣(専属俳優や、本数契約等で何らかの契約関係にあった俳優、或いは契約はしてないけど日活作品への出演機会が多かった俳優etc…)との混成チームとなっていたのがわかります。

で、これから何回かに分けてお話したいのは(どちらかというと)そういったメインキャスト以外の役を演じていた俳優さんについてです。

シリーズ10作品を通し、ドラマの筋立てに必要な様々な役柄を、日活専属の脇役俳優・大部屋俳優の皆さんがくるんくるん入れかわり立ちかわり演じ分けています。
(もちろんこれは『事件記者』シリーズに限らず他の日活映画でもそうだし、また日活以外でも「撮影所時代の専属俳優が作品ごとに(※通行人などの「仕出し」的なものを含めた)様々な役を演じ分ける」のはごく当然の成り行きなのですが。)

あの役で登場の俳優さんが、次の作品ではこんな役を!などと考えながら10作品を観ていくのも非常に楽しく、シリーズものを観る醍醐味のひとつとなっているかと思います。
というわけで、日活版『事件記者』に出てきた脇役俳優たちについて「シリーズ通算でいったい何役演じたか?」という観点で勝手に「脇役俳優アワード」を開催、ひそかに称えていきたいと思います。
10作もありますと、ぶっちゃけ2役・3役はもう当たり前でして、本日はアワード大賞ともいえる「複数役」を演じた俳優さん2人をご紹介します。

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◎(シリーズ通算で)5役を演じた俳優
あくまで自分が数えられた範囲ですが、シリーズを通して最も多い「複数役」はおそらく「5役」かと。
しかもエントリー俳優さんは、私の認定するところでは2人いらっしゃいました。
この2人が必然的に脇役アワード大賞です! お2人ともおめでとう!!(パチパチパチ)

【神山 勝】
・第2作『事件記者 真昼の恐怖』
 → 六郷土手で死体を発見するカップル(の男性のほう)
夜の六郷土手でデート(カップルの女性役は木城ゆかり)してたら死体がごろごろ転がってきてギャー!というシーン。このシーンの神山さんがちょうつがいの付いたような不思議なカバンを手に持っていたのが個人的に気になってます。ぱっと見「ラジオかな?」と思えるようなこの持ち物、たとえば「音楽鳴らしながら屋外デート」みたいな設定だったのなら辻褄は合うのですが、それも確信が持てなくて(まあ、単に「木製のカバンだった」ということもあり得ますが…)。

・第3作『事件記者 仮面の脅迫』
 → 駿河台ホテルの部屋に踏み込む刑事のひとり(※ノンクレジット)
黒ぶちメガネかけて拳銃持っての登場だったかと(ダンディな神山さんはメガネ姿がなかなかお似合いです)。大勢の刑事の中でも、神山さんひとりで窓の外の様子を伺うカットがあり、ちょっと目立ってます。

・第5作『事件記者 影なき男』
 → イナちゃん結婚式の列席者のひとり(※ノンクレジット)
鑑賞後の自分メモによれば、披露宴シーンではなくその前の結婚式シーンのほうではっきり映っていた模様。新婦の母親・おちかさん役の相馬千恵子が座る列の、向かいの列に座っていたらしい。その列の後方から前方にかけて、浜口竜哉、佐川明子、神山勝…という並びで座っていたかなあと。並びは若干不確かながら「神山さんが居た」ということだけは確かです。

・第6作『事件記者 深夜の目撃者』
 → ラスト近くで石丘伸吾を治療する医者(※ノンクレジット)
重傷で横たわる石丘伸吾に対し、共犯の野呂圭介の逃亡先を聞き出そうと刑事が尋問もしているというシーンで、傍らに居る医者役の神山さん。石丘伸吾については「命だけはとりとめた」という描写に思えたのですが、これは観た人によって意見は分かれるかな。

・第9作『事件記者 拳銃貸します』
 → (新井麗子が営む)おでん屋の客
森みどり扮するホステスらしき女性と共におでん屋の屋台にやってくるカップル客。セリフ結構あり。確か連れの森さんに「質屋でもうかってるんでしょ」なんて言われてお代を多く払わされたりして(おつりをもらえないんだったか?)散々なお客さんでした。そして後から考えると、このカップルが来た時の屋台には、実は後の事件に関わる重要人物が勢ぞろいしているという…。


【英原穣二】
・第2作『事件記者 真昼の恐怖』
 → 病室前でガードする警官
被害者の病室前に立ちふさがり、記者等の部外者を入れぬようガードする警官役。第1作でも同ポジションの警官役(こちらは大森安行が演じる)が登場しますが、警察対記者の攻防を見せるための格好のシチュエーションと言えましょう。
そして両者押し問答の末、原保美が演ずる日報・べーさんの「あんた、出世するよ」という名セリフが飛び出します。
(個人的には、これはシリーズ屈指の名セリフのひとつだと思っております。)

・第4作『事件記者 姿なき狙撃者』
 → ラストで公園にやってくる警官隊のひとり
日報・スガちゃんこと沢本忠雄が杉幸彦を自首させようと必死の説得。しかしそうこうするうちに杉幸彦を消そうとする一味がやってきて2人とも危機一髪!なシーンに現れる警官隊。あくまで大勢の中のひとりの英原さんですが、顔はしっかり映ってたかと。

・第8作『事件記者 狙われた十代』
 → 撃たれて亡くなる警官
城西線・ひばりが丘駅という架空駅での売上金強奪事件、その現場にいち早く駆けつけて犯人の凶弾に倒れる警官役です。後姿が多く顔も殆ど映らないが、バッタリ倒れたカットの横顔で英原さんだと見てとれます。日報・相沢キャップのセリフに「亡くなった警官は昨日子供が生まれたばかりだって? そりゃ気の毒に…」といった主旨のセリフがあり、きちんとバックグラウンドも設定された重要な役だと言えるかも。

・第9作『事件記者 拳銃貸します』
 → 交通課の刑事のひとり
池袋北口での白タク一斉検挙シーンでの(メインの)刑事。いわゆる「センター」的な立ち位置で映り、アップもあったしセリフも幾つかあり。ロケ地は東武東上線の線路脇ですが、私だと時々埼京線の車窓からこのシーンの撮影場所を見たりしてます(埼京線からも遠巻きに見える)。見るたびに「ああ、白タク一斉検挙シーンのとこだ」と、何となく思い出されて。

・第10作『事件記者 影なき侵入者』
 → (会議のシーンに登場する)警視庁刑事のひとり(※ノンクレジット)
捜査会議のシーンにて、確か向かって右の列の奥から2番目に座っていた気がします(私の鑑賞後メモが正しければの話ですが…)。一番奥が鑑識役の八代康二だったはずだからその隣。そして何のかんのでずっとクレジットありでの出演だった英原さんですが、今作のみ痛恨の(?)ノンクレジットであります。

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上記の神山勝さんと英原穣二さんは、当・脇役アワードにおける「同率1位」という見解ですが、あくまで「違う役柄の演じ分け」という観点で見るならば、全て違う役どころだった神山さんが、僅差でトップと言えるかも知れません。
対する英原さんは(全てシチュエーションは異なるものの)みな「警察官役」のバリエーションとなるので、そこは「5役」を謳うのにやや弱い点なんですが、しかし神山さんは5役中でクレジットありの役が2役だが、英原さんはクレジットありが4役…と考えると、この面では英原さんに軍配が上がるのかなとも。
さて日活版『事件記者』ファンの皆さんは、どのようにお考えでしょうか。
(そんなの興味ないなんて言わないで…。くすん)

脇役アワードその1からして、こんなに書くの時間かかってどうするの? その2なんて果たして書けるの? この調子だとどうなるの? … と、もろもろの自問自答をしつつ、(いつ更新できるかわからないけど)ひとまず次回に続く。
ではまた。
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# by hamanokani | 2014-05-25 22:39 | 日活俳優など

「日活野郎と女たち」と私

昨年のちょうどこの季節に、

「日活野郎(と女たち) ~戦後日活大部屋俳優傳~」

というタイトルで、簡単な発表をしています。
(今さらにもほどがありますが1年後に事後報告です。本当はその折に事前にブログでもお伝えできれば良かったのですが、結局そんなヒマもなくばたばた発表当日を迎え…。)

・・・・・・・・・・

リンクした昨年のお知らせ文にもある通り、「映画のポケット」というイベントに自分が発表したい企画を持ち込んだものでした。
近年の自分は日活映画(※戦後に映画製作を再開してからの「日活」ですが)の脇役俳優ウォッチングにすっかり傾倒しており、頭にたまったものをいったん人前で吐き出したいタイミングだったのかなあと。

私が好きなのは、「脇役俳優」と言っても(世間的に言うならば)「大部屋俳優」と言ったほうが通りのいいポジションの人たちばかりでしたから、タイトル副題にはそのことを明記しました。
またメインタイトルの「と女たち」の部分をカッコ付きにしたのは、紹介できる女優さんが少なかったのでシャレで付けたものですけど、でも現在の気持ちだと「カッコはいらないね」という感覚になってます。

1年後の今も男優さんメインでキャーキャー言ってる点は変わらないものの、今なら胸をはって「女優さんたちもガンガン推していくぜ」と言えるなあ。
結局のところ、男優さんにもキャーキャー、女優さんにもキャーキャー、節操もなくキャーキャー。
戦後日活に在籍したことのある俳優さんであれば、割と「みんな好き好き」という感覚で日活作品を観ているし、なるべく分け隔てなく「全ての日活俳優を愛そう」という気持ちでいます。
(なぜにそんな境地に至ってしまったのかは、自分自身にもよくわかりかねるのですが…。)
まして脚光をあびることが少なかったであろう大部屋俳優さんならば、なおさらのこと「せめて自分だけでもしっかり観てあげなくては」という義務感のようなものがあったり。

・・・・・・・・・・

思えば「脇役俳優を見続ける」ということは、「日々誰かの新しい魅力に気付いていく」という作業に他ならないのではないかと。

日活の映画製作再開は1954年ですから、色々な意味で後発であり「若い」社風の会社だったことはつとに知られるところです。
撮影所内も上下関係の隔ての殆どない、自由な雰囲気だったとも言われてますよね。
それはきっとその通りだったに違いないけど、でも正直なとこ「どんなに自由な気風だったとて、撮影所の大部屋がどろどろしてないわけないじゃない」とも思うわけです。

きっと足の引っ張り合いがあったり、人間関係の魑魅魍魎やどろどろさ加減とか…。
そんな渦中にありながら、それでも俳優という仕事にしがみついていたのが、映画全盛期の撮影所の、それも大部屋俳優たちの真実だっただろうと。

でもね。
毎日のようにある撮影所のある俳優集団の顔ばかり見ているとね、やっぱりあるんですよ。
どんな俳優さんにもその人なりの良いところ、その人なりの「チャーム」と言うしかないようなものが。

そこに気付いてしまったからには(もう何十年も経ってしまったけれどせめて今からでも)その人たちの一挙手一投足を楽しんで観てあげること。
それが、ひっそりと演じ続けた彼ら彼女らへの、何らかの「手向け」になるのではと、そのように考えています。

・・・・・・・・・・

脇役俳優、これからもガンガン見続けます。
そして、書けることはどんどん文章にしていければと。
(ごく普通の意味での「ブログ更新」ということでも頑張っていきたいですし…。てへへ。)
ではまた。
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# by hamanokani | 2014-05-21 20:56 | 日活俳優など

Togetterまとめ『事件記者 BUN-YA SPIRITS』

今さらではございますが、今年初めから春先にかけてラピュタ阿佐ヶ谷にて上映された特集『事件記者 BUN-YA SPIRITS』に関しての、ツイッター上での発言をまとめさせてもらってます。

Togetterまとめ 『事件記者 BUN-YA SPIRITS』

まとめにも書いた前文をそのまま書き抜いたものが以下のとおりです。

・・・・・・・・・・
2014年1/11(土)〜3/9(日)までラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー『事件記者 BUN-YA SPIRITS』にて特集上映された映画版『事件記者』シリーズ。NHKの人気TV番組『事件記者』(※1958〜1966年まで放送)の映画化作品である日活版10本と東京映画版2本とが一挙上映されました。期間中の作品感想などを中心に、『事件記者』にまつわる諸々のつぶやきをまとめてみました。特集を思い出すよすがとなれば幸いですし、また今後の再上映・CS放送・DVD化などに向けての弾みになれば。http://www.laputa-jp.com/laputa/program/jikenkisha/
・・・・・・・・・・

基本的にどの方の発言も特にお断りすることなくまとめたものであり、かつ(矛盾しているようですけど)お断りなく集めたのであればせめてすべての発言を網羅するくらいのものにしたかったのですが、見落とし等もあってとりこぼしている発言もあり、どちらにしてもいろいろすみません。


・・・・・・・・・・

さて『事件記者』シリーズは、現在日活版の第1作から第6作までが関西巡業中(?)であります。


シネ・ヌーヴォでの上映は、早くも上映日程最終週に突入!

<シネ・ヌーヴォ上映スケジュール>
5/3(土)〜5/9(金) 10:50 事件記者 / 12:05 真昼の恐怖 (※上映終了)
5/10(土)〜5/16(金) 10:50 仮面の脅迫 / 12:05 姿なき狙撃者 (※上映終了)
5/17(土)〜5/23(金) 10:50 影なき男 / 12:05 深夜の目撃者
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/jikenkisya.html


宝塚シネ・ピピアでは(シネ・ヌーヴォと同一プログラムの)上映第1週に入っています。

<宝塚シネ・ピピア上映スケジュール>
5/17(土)〜5/23(金) 10:15 事件記者 / 11:30 真昼の恐怖
5/24(土)〜5/30(金) 10:15 仮面の脅迫 / 11:30 姿なき狙撃者
5/31(土)〜6/6(金) 10:15 影なき男 / 11:30 深夜の目撃者
http://www.cinepipia.com/onscreen.htm#jikenkisha


さらなる盛況になりますように!
関西をめぐって面白さを伝えつつ、元気で関東に(というか「新日本映像倉庫に」ってとこでしょうかね)戻ってきてくださいませ、日活版『事件記者』の面々よ。

上記のTogetterまとめが、多少なりとも動員のお役に立てばええがなと思っております。
(でもネタばれ的な部分も多々ありますので、これから鑑賞される方は、「ネタばれはあんまり気にしない」という場合のみ、お読みくださいませ。)
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# by hamanokani | 2014-05-18 23:33 | 映画

リンクしてちょ。

当ブログはリンクフリーです。もちろん。
またリンクした場合のご連絡も不要です。

というか(このブログに限らず)ネット上の文章も画像も、コピペやダウンロード、はたまた画面キャプチャーなどを使えば、いっくらでも入手することは出来る。
ですからいまどき「リンク禁止」だの「必ず連絡せよ」だのと言い出すことは無意味であり、ネット上に情報を載せる以上、それは「誰でも自由に持ってっていいよ」という共有前提のものとなるでしょう。
(またそれは「持っていかれたくない情報なら自分で大事に大事に抱え込んで一生外部に出さなきゃいい」ということでもあるでしょうし。)

・・・・・・・・・・

しかししかしですよ。
いくら「共有」っちゃあ「共有」ったって、あからさまにコピペされた文章を、さも「自分で調べました」とばかりに載せられてしまうのは、やっぱどうなんだろうと。

以前にライブのセットリストをネット上の某所ニ載せた時に、そういったことがあったのです。
(曲名を書くときのちょっとしたくせとか、曲名をカウントするときの数字の振り方とか、些細なことながら「自分カスタマイズ」な書き方の部分があり、それがいっさいがっさい同じだったので「ああこのサイトの人は、自分で記憶したものを書いてアップしたのではなく、私の書いたものからコピペしたものをぺろっと載せちゃったんだな」と思った次第。)

んで、「ライブのセットリストなんて大勢の人が書くだろうし、必ずしもあなたが書いたものからの転載ではないのでは?」と思われるかも知れないけど、うーん、その時のライブに関しては書いている人が世間にほぼ居なかった(その人が書く前は、たぶん自分しかアップしてる人が居なかった)というわけです。

でも実はセットリストこそ、まさに「共有前提」であり、世間に広めるために書いてるわけなんだから、別にコピペでいいんだよ。
その人は責められるべき点は何もないのかも知れない。むしろ情報を広めてくれたわけだもんね。

ただ何というか、ひたすら気持ちの上での問題ってことだと思います。
その人が「自分できちんと記憶して自分できちんとメモしてきた」かのような様子で、カッコよく「この日のセットリストは以下のとおり…」みたいに書いてるのを読んで、「えーっ。そうなの??」と思ってしまいました。
心が狭いのは重々承知なのですけど。
(実際問題としては、記憶容量が本当に少ない自分がどうにかこうにか記憶して、終了後に忘れぬうちにばーっとメモして…という結果として得た「情報」でしたから。)

ひとこと「○○というサイトからの情報」と付け加えてもらうなり、アドレスをリンクしてさえもらえれば、どんなにかこちらもすっきりしたかと(というか嬉しいくらいだったかも)思います。

・・・・・・・・・・

ネット上で見かけた他の人の発言として「自分が(おそらく雑誌などから撮影か或いはスキャンで)取り込んだ画像が流れ流れて、他の人が(さも自分で用意した画像であるかのように)アップしてるけど、あまりいい気持ちはしない」というのがありました。
(詳細は違ってるかも知れないですが、概要としてはこんな感じだったかと。)

それを読んで、日ごろ「DVDからのキャプチャー画像取るのが大好き」な画像かっぱらい状態な私も、わが身を棚に上げつつ「その気持ちわかるなあ」と思ったりして。

いいんですよ。自分がネットにあげた画像を持ってくのは。
どうせ自分だって版権的なものを無視してかっぱらってきた画像なんだもの。
でもかっぱらったものであれ、取り込むときの手間ひまなりかかった時間なり思い入れなりってものがあるわけでねええ。

・・・・・・・・・・

そんなに気張ることはない。さくっとした感じでいいのよ。
何らかの情報を持ち出す際は、何らかの形で「このブログから」だという事の示唆をお願いできればと思います。
ブログ名とアドレスを載せてリンクしてもらうのがベストではありますが、面倒だったらブログ名だけでもアドレスだけでもどっちでもいいし。
アドレスも、トップページでも各記事の個別のものでもどっちでもいいし。
せめてもの「武士の情け」といったところであります。
(武士じゃないよって言われると困るけどね。)

わたくしと、そしてこのブログの存在をなかったことにしないでね。
忘れちゃいやいやってことで、ぼつぼつブログ書いていきます。

・・・・・・・・・・

最後になりましたが、みなさんお久しぶりです。
読んでくれている「みなさん」などというものは、本当はどこにも居ないのかも知れないけど、それでも虚空に向けて呼びかけてみます。

お久しぶりです。
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# by hamanokani | 2014-05-18 18:36 | 雑文

『出逢いが足りない私たち』 (2013年 監督・脚本:友松直之 原作:内田春菊)

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街行く人のみんながみんな下を向いて、ケータイやスマホに見入っている。
というか「魅入られて」いる。
このいつも通りの見慣れた光景は、改めて客観視させられると、奇妙な静けさを湛えた光景にも思える。

ネット上の文字をスクリーンに映し出す事で物語を繋ぐ手法は『(ハル)』(1996年 監督:森田芳光)等のいくつかの映画を想起させるけれど、2013年型『(ハル)』かも知れない物語の「端末に向かう女」には「素性を明かしあわず心を通わす誠実な男」などついぞ現れない。
何種類ものSNSで見知らぬ誰かと会話して、本来なら出逢いは十分すぎるくらい足りているのに。

・・・・・・・・・・

2人の女が登場する。
片や売れないイラストレーター・河原ヨシミ(嘉門洋子)。
アラサーで実家暮らし。ネット依存症。ハンドルネームは「よんよん」。
さして好きでもない先輩イラストレーターと不倫中。
片や有名女優・吉沢陽子(嘉門洋子・二役)。
派手な噂も立つ芸能人。でもどこかB級タレント的な。
同業者のイケメン俳優とこれまた不倫中。
心が満たされていない、という一点において、彼女らは同類。
接点のない別世界に住んでいた2人は、ネット上の意外な糸で繋がっていく。


河原ヨシミ(嘉門洋子)
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吉沢陽子(嘉門洋子・二役)
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ヨシミがブティックで見かけたかわいいワンピース。
高そうで買うのを躊躇した「あの服」を着て、陽子はヨシミの前に姿を現す。
それは、誰かが自分の欲しかったものを横からかっさらっていってしまった瞬間。
と同時に(とてもうらはらではあるけど)欲しいものをかっさらった憎い相手が、自分が出来そうで出来なかった事を代わりに果たしてくれた瞬間とも言えないだろうか。
あれはきっともうひとりの自分。もうひとりの私。

陽子は、ヨシミとまるで対照的(のようにヨシミには見える)。
細い手足、高そうな服、ふわふわの髪、きれいな肌。
ヨシミが望んでやまぬ多くのものを持ち得ている。
陽子はセックスも自分本位。
かわいいねと褒められながらのワガママ三昧。
不倫相手・トロリンの「都合のいい女」に甘んじているヨシミの願望を、代わりに叶えているかのような。
(でも唯一自分本位が通用しない相手、それが陽子にとっては不倫相手・東条だったりもするのだが。)

〈映画の本筋から逸れるが、「かわいい」と呼ばれる事柄を作る要素って、つくづく記号というかイメージの産物だよなあと思ったり…。なぜなら陽子を羨むヨシミのセリフで挙がる「細い手足、高そうな服、ふわふわの髪、きれいな肌」を観客に提示するのは、他ならぬ(ヨシミをも演じる)嘉門洋子なのだから。無論、嘉門は両者を鮮やかに演じ分けているが、「持つ者」と「持たざる者」とが同じ俳優によって演じられる事で、その「所詮イメージじゃねえか感」はより顕在化する。〉

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「エロティックサイコサスペンス」と銘打たれた本作(R18作品)には、そのキャッチコピーの通りにセックスシーンはふんだんに盛り込まれており、過激さもかなりあると思う。
このあたり(セックスシーンの回数や描写)はピンク映画のフォーマットにほぼ則っているのだろうが、ただしそれらはすべて嘉門洋子が一手に受け持って演じている。
(ピンク映画では、1作につき2〜3人の女優が裸のシーンを演じるのが一般的。)
さらに、ピンク映画では通常60分前後の尺のところが、本作では全長約70分の編集に。
この10分の差が、エロシーンも含めての、作品全体の厚みをもたらしているかと。

セックスシーンの数々は、エロくもあり、かつ痛切さもあり。
いわゆる「絡み」部分は、エロシーンとして物語から分離しているわけではなく、きちんと流れの中にあって映画の進行に寄与している。
2人の女は、それぞれの激しいセックスのさなかに、物語の根幹に関わるような切ないセリフを吐くのだ。

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ラストでは2人の女が遂に互いの人生に浸食し合い(比喩的に言えば)食いちぎりあうような、いささかダークネスな展開をもって物語が終わる。
とはいえ、このラストをことさらダークなものに捉える必要もないように思えて。

もうひとりの自分(まさしく「本当の自分」ってやつか)に自分自身が食われてしまったとて、内田春菊が紡ぎ、友松直之が拡げた、この「エロコワかわいい」ガーリー世界には、それすらも「だから何?」と笑い飛ばすような、乾いた感覚が貫かれているから。

ヨシミと陽子のことを、本質的な意味で「バカ」と言える人なんて誰も居ない。
だるくてものが考えられなくなって、何もかもわからなくなって。
でもそんなの現代を生きる我々なら、皆似たようなもの。
男も女もない。年齢や年代も関係ない。
あなたも私も、同じだよ。

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嘉門洋子の演技は以前に『不倫純愛』(2011年 監督:矢崎仁司)で観ていたが、あの映画のミステリアスで儚げな美女とは一転、本作ではすっぴん(実際、ヨシミ役の自宅シーンでの様相はかなりノーメークに近い)でボサボサ頭のアラサー女を演じる。
ダラッとした部屋着で、起床してすぐ寝ぼけ眼でパソコンに向かう姿など、ただもう身につまされてしまう。
ゴージャス美女たる陽子役との二役を演じ、なおかつ同じ役の中でも激しい感情の変化を果敢に演じ分ける彼女の、今日〈こんにち〉に至るまでの精進を思う。

ヨシミ
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陽子
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ヨシミの姉役に佐倉萌。
女同士、それも姉妹同士の、互いに虚栄心の固まりのような間柄を、安定の演技で表現している。
姉妹がポンポン言い合うやり取りは、さも普通の姉妹ゲンカのようであるが、腹の底では相手を相当に見下しあっている。
(殊に、親にかわいがられる妹をずっと妬んでいた姉は、かなり憎しみが深そう。)
姉は妹の未来をある種「予言」するのだけど、妹を貶めて勝ち誇りたいのは、自身もまた満たされていないがゆえ…のような。

ヨシミの姉・カズコ(佐倉 萌)
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ヨシミの母役に(お懐かしや!)沖直未。
若き日は自身も「イイ女」として名を馳せた彼女が、2人の娘を育て年齢を重ねた母親を演じる。
姉妹間の確執を紐解けば、その根は両親に(というかおそらく母親に)行き着くのだろう。
この母もまた、さりげなくも重要な人物である。

ヨシミの母(沖 直未)
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ヨシミの先輩イラストレーターにして不倫相手である、ハンドルネーム・トロリン役に藤田浩。
乳母車を押す「太った奥さん」(佐倉萌の二役と思われる)を連れて商店街を歩く時の、他のシーンの軽薄さとは違った優しげな表情がいい。
(この表情があるとないとでは、この男の人物像がまた少し異なってくるだろう。)
そして不倫話には定番のこの「彼氏が妻子と一緒に居る場面に遭遇する」というシチュエーションは、やはりお決まりの如く、ヨシミのプライドをズタズタにしてしまうが。

ヨシミの不倫相手・トロリン(藤田 浩)
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陽子の不倫相手である、イケメン俳優・東条良識〈とうじょう よしき〉役に津田篤。
(にしても「良識」〈りょうしき〉と書いて〈よしき〉と読ませるって、スゴいキャラ名だ。)
この男は空虚だ。何も見ていないような目が、冷え冷えとする。
もしかしたら本作の登場人物中で最も空虚なのは、東条かも知れない。
陽子にすれば、きっと連れて歩いて人に自慢したい素敵な相手。でも酷薄。
イケメン津田篤が、氷の微笑みにて的確に演じている。

陽子の不倫相手・東条良識(津田 篤)
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本作にて人物と同等に非常な存在感を放つのが、随所に出てくる「ネット上の言葉」の数々なのだが、これらはその内容の「あるある」感も含めて大変秀逸。
(細かく読んでいくと、面白くてクスッと笑えるものやら、鋭くてビクッとするものやら色々。)
「(任意の人間の)ネット書き込み」や「よんよん」ことヨシミのメールやチャットの文面など、脚本上においてもきっと重要なポイントだったのではないだろうか。

また幾つかの架空のSNSも画面に登場するが、これらのインターフェースがまた笑っちゃうほど良く出来ていて(本当にありそう!)完成度が高い。
こういった点も、優れた映画美術の一環と言えよう。

〈了〉

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【映画公式HP】
http://deaiga-tarinai.com
(※HPトップを開くとまず予告編動画が流れる仕組みのページです。開く際は音声・映像等、ご注意くださいませ。)

●ストーリー
メール、SNS、出会い系…。
ネット普及率79%の現代を象徴し、社会問題にもなっているネット依存症。
河原ヨシミ(嘉門洋子)もそんなひとりだ。
自称イラストレーター、パラサイトアラサ―、妻子持ちと不倫中。
日々の閉塞感から逃れるために、ネットにのめり込むヨシミだったが、
あるとき、SNSのアカウントが乗っ取られていることに気づく。
誰かが自分になりすましてネット逆ナンし、男とヤリまくっているらしいのだ。
「そんなの許せない!」犯人をつきとめようとするヨシミだったが…。
ネット内の虚構世界による現実への侵食。崩壊のプロセスはもうはじまっている!?
(※公式HPより抜粋)

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『出逢いが足りない私たち』

BEAGLE 配給
2013 / 日本 / 1h11
監督・脚本:友松直之
原作:内田春菊(祥伝社刊)
キャスト:嘉門洋子 / 藤田 浩 / 佐倉 萌 / 津田 篤 / 阿部隼人 / 倉田英明 / 上田竜也 / 沖 直未 / ほか
※DLP上映
レーティング:R18+

9/14(土)~9/20(金) 
限定レイトショー
連日夜21:00より1回上映
池袋シネマ・ロサ
(池袋西口・ロサ会館)
03-3986-3713
東京都豊島区西池袋1-37-12

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池袋駅西口のロータリーの右斜め前方、三菱東京UFJ銀行のすぐ左の先にコンビニ(ファミリーマート)があって、そこに大きなアーチのかかったロマンス通り商店街があります。
ロマンス通りの中に入って約60メートル程先の左側にロサ会館があり、そのロサ会館を回り込んだ角に映画館の受付入口があります。
池袋西口駅前の地上に出てから徒歩2~3分です。
(※シネマ・ロサHPより抜粋)

9/14(土)初日舞台挨拶決定!
登壇者(予定):
 嘉門洋子、
 内田春菊(原作)、
 友松直之監督
※当日午前11:45より、劇場窓口にて入場整理番号つきチケットを販売。
おひとり様4枚まで(前売券使用可)。
その他、詳細は劇場まで。



【シネマ・ロサHP】
http://www.cinemarosa.net/

【シネマ・ロサ ツイッター】
https://twitter.com/Cinema_ROSA

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〈注〉
※9/14(土)公開『出逢いが足りない私たち』のサンプルDVD(友松直之監督より拝借)を鑑賞しての、宣伝用の公開前レビューです。
※掲載画像は、必ずしもストーリーの進行通りには並んでおりませんのでご了承ください。
※キャスト・スタッフのお名前ともに、敬称は省略させていただきました。
※上記のストーリー紹介は映画の公式HPより抜粋しています。
(実質的には、友松直之監督のブログの「ホームページ文章添削」の記事からコピペした文章がベースです。)
※上記のキャストや劇場案内等々はシネマ・ロサHPより抜粋しています。
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# by hamanokani | 2013-09-14 21:00 | 映画の感想(件数僅少)

京橋・東銀座

京橋・東銀座。
またある時は東銀座・京橋。
徒歩10分の映画館のハシゴ。
色々なことを考えて歩く。
たった10分間で。

たとえばある晴れた休日。
のんきにふらふら歩きながら、
辞めてしまったドラマーのことを考える。
もう叩かなくなったドラマー。
(もしかしたら叩いてないこともないのかもしれないけど、叩く姿をわかりやすく公には見せたりしなくなった)とあるドラマー氏。
なんで辞めちゃったのか、それは私には与り知らぬ話だけど、
それでも垣間見る、質実で清々しい現在の姿に、少しはわかったような気分になる。

京橋から東銀座。
箒屋・出版社・銭湯・シティホテル。
10分で夢をつなぐ。別の夢を見る。
到着してみれば、スクリーンでは「ヒデ坊」って名前のドラマーが叩いてた。
(ご丁寧に、役名までもちゃんと「ヒデオ」っていう名前だったよ。)
ヒデオという役名のヒデ坊が、50年前の銀座で汗を飛ばしてドラムを叩いてる。
バンド仲間たち。若さを謳歌してる人たち。

私には何もわからないけど、でも「ドラムが好きだけど辞める」あるいは「ドラムが好きだからこそ辞める」なんていうこともあるのかもしれないね。
そんなことを考えながら、今度は東銀座から京橋に戻ったりなんかして。

京橋・東銀座。
またある時は東銀座・京橋。
徒歩10分の映画館のハシゴ。
こんなことが出来るのも、あともうほんの僅か。


P.S.
ところで「京橋・東銀座間ってホントに徒歩10分で着きますか」って?
うーん、そうですね。
ここだけの話ですけどね、その2箇所の距離は、本当は「ロンドンとパリぐらい」なんです。
(ウソだよん。「ロンドンとパリぐらい」っていうあの曲のあの歌詞を、ちょっと書き留めてみたかっただけ。)
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# by hamanokani | 2013-03-29 13:04 | 雑文

20130208 今日の日活さん

2013年2月8日金曜日。長弘さま、(もしもご存命ならば)生誕90周年、おめでとうございます。


長弘 - Wikipedia
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# by hamanokani | 2013-02-08 13:09 | 日活俳優など